MomoeのブログMomoe's blog

     

進化すること



おはようございます☀


いつも読んでいただきありがとうございます<(_ _*)> 


先日、寄席に落語を聞きに行ってきました!

とても楽しかったです

You◯ubeで聞いても十分に面白かったのですが、やっぱり生で聞くと違うんだなと…💭

完全に噺家さんの世界に惹き込まれてしまいました


もう亡くなってしまいましたが、立川◯志とか古今亭志◯朝とか伝説的な噺家の寄席に行ってみたかったなと思います

録音を聞くより、何倍も面白かったんだろうなあと…


今日15:00〜23:00

明日9:00〜15:00

で出勤します

お時間があればぜひ^^

………………………………………………………


今回は、稲垣◯洋著「植物に死はあるのか」です

著者は植物学者で、現在大学で教鞭をとられているそうです


本作は大学教授が学生からの質問に答えるという形で進みます

タイトルを見ると植物だけにスポットが当てられているのかなと思うのですが、ヒトや象といった「動物」も含めた地球上の生命体の不思議について明かされてゆきます


特に印象に残ったのは、やはり動植物の死について


「死」は生物を構成する細胞が進化の過程において手に入れた、自らの遺伝子を効率良く後世に残してゆくための機能だと言うのです


最初に地球上に誕生した生命はアメーバのような単細胞生物で、これは分裂によって増殖を繰り返すだけの生物でした

この単細胞生物は、事故に遭わなければ死ぬことがない不老不死の性質を持っていたのです


しかし、細胞分裂によって数を殖やしたとしてもそれらは自分と全く同じ遺伝子を持った「コピー」でしかなく、もしも大きな環境の変化が起こった場合、適応できなければ全滅してしまいます


それを防ぐために分裂による「コピー」ではなく、新しい世代を生み出すことによる「進化」を選びました


そして、より優れた性質を持つ次世代同士だけが交配できるように、旧世代は消えていく……


種の存続のために生命は、自らの命に区切りを設けたのです


現在人類が科学のちからで目指すのは、死を乗り越えた「不老不死」の夢を現実にすることでしょう

そのために老化に抗うための研究だとか、脳をデジタル化して永遠の意識を得るための技術開発が進んでいます


しかし「死」は種が永続的に遺伝情報を後世に残してゆくためのシステムであり、不老不死は進化を止めることですよね


不老不死を目指すということは皮肉なことに、消滅に向かって進んでいるということかもしれません

自然界にとったら人間がいなくなるなんてきっと、他のより優れた動植物を生かすための変化のひとつに過ぎないのでしょうけど💭


うずら好きです❣️

イイね!
     

「じゃない方」のこと


こんにちは🐬


先日、某駅の物産コーナーにて「御◯餅」なるあんころ餅が売られているのを見つけました🍡

三◯県は◯勢市にあるメーカーが製造されているようで、280年ほどの歴史があるとのことです

一方、この地域にはかの有名な「赤◯」という銘菓もありますよね💭


ちょうど「赤◯」の方を食べたいなと思っていたのですが、関東ではなかなか手に入らないので遠征まで考えていたところでした

そんな折に「御◯餅」を見つけてしまい好奇心から一箱購入してみたのですが…

この子はジェネリック赤◯なのか、はたまた似て非なるものなのか、食べてみるのが楽しみです(o´▽`o)


オチのない話ですみません(・・;)

いつも読んでいただきありがとうございます


今日金曜日15:00〜23:00

明日土曜日9:00〜15:00

で出勤します

暑いですが、お時間があればぜひ🌻


……………………………………………………


今日は立川◯春の「赤め◯か」です📖


日曜日の夕方、久しぶりにテレビで「笑◯」を観た時に、随分前にこの本を買ったままであることを思い出して読んでみました


とても面白かったです

文章は流石噺家らしく、澱みないリズムのある語り口で非常に読みやすいなと感じました


内容は、著者が立◯志に弟子入りしてから真打に昇進するまでの修行の日々を綴った自伝です

主人公は著者自身なのですが、エピソードの多くは◯志についてです

著者の目を通して彼の優しいところも理不尽なところも、客観的に語られてゆきます


立川◯志という不世出の落語家の人間的な面白さやおかしさにまで踏み込んで書けたのは、彼を己の師匠として、そしてひとりの人間として丸っと愛していたからでしょう

著者は孤高の天才の弟子でもあり、理解者でもあったのだと思います

語りは極めて冷静なのですが、◯志への愛情が垣間見える暖かい文章でした


本書の中に、『落語とは人間の業の肯定である』という立川◯志の言葉が出てきます

落語の主人公として語られるのは、狡かったり騙されたり馬鹿だったり怠け者だったり、「ヒーローじゃない方」なのです


人は正しい部分とそうでない部分を背負っていて、いつも正しい部分を発揮することは難しいですね

でもそれが人間らしさでもあります


そういう人間的な弱さの善し悪しは一旦傍に避けておいて、「こんな人/コトもあるよね」と皮肉とか自虐に落とし込む

すると寄席にいる全員が「あるある」と笑って受け入れてしまう

そんなプロセスが、落語における「人間の業を肯定する」ということなのでしょう

落語って、すごく庶民に近いというか、人に寄り添った芸術だなあと思います💭


人間の背負っている弱さなんて、結局は今も昔も「そういうもんだね」って認めてあげるしかないのです

他人の欠点をあげつらって叩いても、人生がつらくなるだけですね


私も、ひとの弱さも自分の弱さも笑って受け入れられる寛容な人間になりたいです


いちご氷です🍓

イイね!
     

梅のことと余裕のこと


☀️おはようございます☀️


先日梅について、梅酒を漬けるかシロップにするか迷っていると書きましたが、結局梅シロップにしました



炭酸とか豆乳で割ると美味しいのです…


あと数日で完成だと思います

楽しみです(o´▽`o)





本日15:00〜23:00

明日9:00〜15:00

で出勤します

お時間があればぜひ^^


……………………………………………………


今日は河合◯雄「縦◯横糸」です


著者はユ◯グ派の心理学者として知られています

箱庭療法という心理療法を日本に初めて導入したそうです

日本心理学界の第一人者と言えます


この本は90年代後半から2000年前半にかけて著者が新聞に連載していたコラムをまとめたもので、毎回事件や事故、ニュースなどひとつのテーマを取り上げて考察し、日本社会における問題を浮き彫りにしています


著者は約30年前に話題となっていた出来事について書いているのですが、そこから提起される問題は今現在の社会にも深く根を張っているものが多いのではないかなと思いました


特に印象に残ったトピックが、当時増加していた大人の「引きこもり」について



「昔なら大人になるまでにいろいろと「引きこもり」体験ができたのに、それを奪われた人は成人になってから、高利子つきの借金を返すような状態で、相当な「引きこもり」にならざるを得ない。」

—『縦糸横◯(新◯文庫)』河◯ 隼雄著



今の子どもたちは、20年前に著者が懸念していた状況の只中にいるんじゃないかなと思います💭

社会に出る前に、今まで以上に高度な情報処理能力とか外国語能力、その上何か人にアピールできる「個性」を身につけることが求められる…

家ではスマホで外の世界と常に接続していなければならない…

忙しすぎて頭も心も休まる暇がないんじゃないかなと


私なんかは小さい頃はぼけっとして、「何にもしない」時間が多かったなあと思います

そういう一見非効率な時間の中で色んなことを考えたり感情を整理することが出来ていたのでしょうね


人に自慢出来る人生を歩んでいるわけでもありませんが、でもそんな小さな引きこもりの時間が、社会に向き合って行く強さとか気持ちの余裕を与えてくれたのだと思います


人間同士の繋がり、言わば社会を構成する縦糸と横糸の編み目が緩んでしまえば社会は脆くなるばかりです

今一生懸命に生きる子どもたちは、その編み目の中で生きて行く勇気と気力を失わずに健やかに育ってくれればいいなあと老婆心ながらに思うのです…笑


つけ麺にも煮卵必須です🍳

イイね!
     

青春のこと



こんにちは🌱


読みに来て下さりありがとうございます^^


最近スーパーで青梅が並び始めていますね

毎年シロップか梅酒を漬けているのですが、今年はどちらにしようかなあと迷っています…

でも梅って迷っているうちにあっという間に旬が終わって、いつの間にか店頭から消えてしまうんです(*_*)


青梅はシロップにして完熟梅は梅酒にしようかな💭

この季節だけの幸せな悩みです✨


明日日曜日は9:00〜15:00、明後日月曜日は15:00〜23:00で出勤します

お時間があればぜひ( ˊᵕˋ )


……………………………………………………


今日は藤◯周平「蝉し◯れ」です


最近は時代小説ばかり読んでいます…

市井の人たちの人情物とか、与力同心が事件を追うミステリーとか、そんなのにはまっています📚

史実に基づいた歴史小説はもともと好きなジャンルで、とりわけ幕末を描いた作品はよく読んでいました

坂本◯馬とか新◯組が主人公のようなお話です


歴史を追うのが面白いのであって、単にある時代を背景として作者が創作した物語を読んでもなあ…と思っていたのですが、時代小説も読んでみると結構面白いですね


全くのフィクションだけれども、読者はそれを分かった上で、その時代の人々に思いを馳せることが出来るのが良い時代小説なんじゃないかなと思います💭

あと、歴史小説では扱われないような背景となる時代の細かな習俗まで描かれているのも魅力の一つでしょうか…


今回の「蝉◯ぐれ」はある小さな藩に生まれた下級武士の青年の少年時代から壮年期までが描かれます


彼と周囲の人々との友情や恋が爽やかに巡る一方で、主人公の人生を揺るがすような出来事が彼の家族を襲う………彼がそうした困難にどう立ち向かうのか、延いては様々な喜びや悲しみや理不尽が彼の人生をどう彩るのかが丹念に描き出されて行きます


友人との何気ない日々や、幼馴染の少女に抱く恋心が描かれるパートは青春小説と呼べる清々しさに溢れています

一方で、この少女との交流の様子は物語の合間に僅かにしか登場しません

それでも二人の心に同じ景色が写り、他の人とでは決して共有出来ない二人だけの時間がお互いの心に満ちて行く様が、まるで自分ごとのように感ぜられるのです


虚構の世界であるからこそ読者は、誰の人生からも過ぎて忘れ去ってしまう青春の煌めきを掬い取ることが出来るんじゃないかなと思います💭

それを可能にする作者の飾らない、静謐で細やかな文章と語り口は本当に心地が良いのものです…


うどんも食べます

冷やしが美味しいです🧊🐧

イイね!
     

肯定すること



こんにちは☀️


読みに来て下さり、ありがとうございます


先日今年初めて蚊に刺されました😢

最初は急に足が痒くなってきたので、これが蕁麻疹というやつかなあ💭

なんて思って呑気に掻いていたら、目の前を蚊が横切って行くのを見つけてしまいました(*_*)


5月でも油断なりませんね

まだ虫刺されの薬を買っていなかったので困りました…笑

みなさんもお気をつけください!


明日15:00〜23:00で出勤します

お時間があればぜひ(o´▽`o)


………………………………………………………


今日は太◯治「ヴィヨ◯の妻」について


太◯治、好きな人も結構多いかなと思うのですが、私はそんなに…という感じです(・・;)

とは言え彼の作品をたくさん読み込んでいるわけではないので表面的な印象だけで語るのも良くないかなと思うのですが、何となく文章に馴染めない感じがします🌀


余談ですがこんな風に文章とか作風について自

分なりの好き嫌いが分かったり、上手い下手が感じられるようになって初めて私は読書が楽しくなりました

そのためにはやっぱり色々な文章を読んでみるのが大事かなと思います💭


本題に戻りますが、今回の「ヴィ◯ンの妻」は「さっちゃん」と言う女性が主人公で、彼女の視点によって物語が進みます


太◯治って、こう言う一人称告白体の文章が多いですよね

そして女性目線も多数

この女性による独白形式が、彼の文章が少し苦手な理由のひとつです

主人公が直接こちらに向かって語りかけて来る感じに、すごく心を持って行かれるのです

読後にどっと疲れてしまいます

遠いどこかで起きた誰かのためだけの物語ではなく、読み手の意識に「自分事」として潜り込んで来る…


これはやっぱり、太◯治が単なるストーリーテラーではなく、誰の心にも普遍的に存在するテーマを、確かな筆力をもって語る文学者であったからこそ成せる技なのでしょう


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


本書の主人公「さっちゃん」の夫は滅多に家に帰らず、外で多数の女性と関係を持ち、飲み代は踏み倒すような典型的な「ダメ人間」です

彼女はほとんど一人で子供の世話をして、貧しい家で暮らしています

そんなある時、夫が行きつけの飲み屋のお金を盗むという事件を起こしてしまい、その出来事に彼女も巻き込まれて行きます…

さっちゃんは夫に翻弄されながらも、幸せを掴むことができるのでしょうか


「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ」


さっちゃんが最後、夫に向かって発する言葉です

作者は「人◯失格」とか「斜◯」に代表されるようなデカダンスな作風のイメージですが、こんなメッセージも残していたんだなとすごく印象に残りました


昔も現代も、みんな生きるのに苦しみとか悩みを抱えていて、それらに向き合う度に自分のダメな所も見えてつらくなります

でもやっぱりそういう部分も肯定して自身の価値を認めてあげないと、生きるのはつらい…


作者自身はきっとそれができなかったのかもしれません

彼の最期を思うと、前述のさっちゃんの言葉もちょっと悲しく感じてしまいますね( ;  ; )


豊◯市場、『千◯万来』にて

インバウンド価格でした…💸💸

イイね!

Momoe(20)

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プロフィール

11/22(金) 11/23(土) 11/24(日) 11/25(月) 11/26(火)
15:00~23:00 15:00~23:00 15:00~23:00 15:00~23:00 --
     

大人になること



おはようございます⛅️


いつも読んでいただきありがとうございます


先日、パフェを食べに行きました(o´▽`o)



ラーメンばかり食べていると思われがちですが、しっかり甘いものも好きです

特に果物は何でも好きです🍒🍇🍐


せっかくだし旬の枇杷を使った季節限定のパフェを頼もうと思っていたのですが、山盛りの苺の誘惑に負けてしまいました…


いつまで経っても子どもみたいなチョイスしかできませんね

ほんとはチョコバナナのパフェも食べたかったのは内緒です🤫

大人になりたいと思います💭💭


明日5/10 15:00〜23:00、明後日5/11 9:00〜15:00で出勤します

お時間があればぜひ^^


………………………………………………………


今日は山本◯五郎「赤ひ◯診療譚」です


余談ですが作者の名前を冠した文学賞がありますね

京◯夏彦、湊か◯え、小野不◯美…と言った人気作家が受賞しているので、受賞作を読んだことがある方も多いんじゃないかなと思います

エンタメ性が高い大衆小説が選ばれますから、受賞作は夢中になって読める面白いものばかりです📕


「赤◯げ診療譚」は江戸時代を舞台にした医療ものです

幕府が貧しい町人たちのために設置した小石◯養生所での様々な出来事が描かれます


主人公は、養生所の責任者で周囲から「赤ひげ」と呼ばれる医師と、見習いとして無理矢理派遣された青年医師です


赤ひげは無口で無骨で乱暴で、周囲から反発を買うことも多いのですが実は貧しい人々のために人生を捧げる医師なのです

そんな彼のやり方に当初は反抗し、養生所での治療も放棄していた青年医師だったのですが、やがては赤ひげの理念に感化され医師としての生き方を見出していきます


赤ひげの貧しい人々に対する眼差しが胸を打ちました


貧苦から罪を犯す患者達を憎まず、彼らが罪を犯すのは無知故に陥ってしまった貧しい境遇にあるからとして、そうした人々を無視する権力者たちに反抗します


しかし、貧しい人々に尽くす自らの活動を「徒労」であると言い切り、


「人間のすることにはいろいろな面がある。暇に見えて効果のある仕事もあり、徒労のようにみえながら、それを持続し積み重ねることによって効果のあらわれる仕事もある。おれの考えること、して来たことは徒労かもしれないが、おれは自分の一生を徒労にうちこんでもいいと信じている。」

と話すのです


きっと作者も赤ひげと同じような眼差しを、社会に向けていたんじゃないかなと思います

現代では様々な制度が確立して、医療を受けられずに亡くなったり極端な貧困に陥ることはほとんどありません

でも社会に弱者は存在して、苦しい境遇に身を置かざるを得ない人々はたくさんいる

政治はそういう人を無視してはいないか、大企業が儲ければやがては国も豊かになると言わんばかりに、個人を見捨ててはいないか…


政治だけではなく私たちも、自分の目先の利益ばかりを求めて、「徒労」に尽くすことを忘れているんじゃないかなと思います

赤ひげのような医療は施せなくても、家族や友達、出会った人たちには私があげられるもの、愛情とか優しさとか時には僅かなお金、時間…

なんかを惜しみなく与えられるようになりたいです


たまには油そばです🫶


イイね!
     

野菜のこと





おはようございます☀


ゴールデンウィーク、いかがお過ごしでしょうか?

旅行とかレジャーにお出かけの方も多いのかな💭


わたしはあまり遠出する予定はありませんが、母の日のプレゼントを買いに行こうと思っています(o´▽`o)


明日金曜日15:00〜23:00、明後日土曜日9:00〜15:00で出勤します^^

お時間があればぜひ❣️


……………………………………………………


今日取り上げるのは星◯一「ボ◯コちゃん」です


前回筒◯康隆の「時をか◯る少女」を紹介したので、その流れで同氏の短編について書こうかなあと思い何冊か文庫を読んでいました

久しぶりに短編に手を出したところ、自分の中で短編小説ブームが来てしまい、となるとショートショートの神様、星◯一は外せないだろうと思ってのチョイスです


私感ですが、筒◯康隆と星◯一を比べると後者の物語は読後にちょっとモヤモヤするというか、すごく考えさせられるものが多いんじゃないかなと

社会とか人間に対してすごく風刺的です


一方前者はホラーとか笑える話とかエンタメ性の高いもの、または語感や言葉遊び、駄洒落だとか意味の無さを楽しむような文章が多い気がしますね💭

読むといつも「面白かったけど何も得るものがなかったな」と思います笑

それでもすごく楽しいので、クセになって読んでしまうのですが…


今回の「ボッコ◯ゃん」には50編収録されていて、どのお話しも2〜3分で読み切れてしまうと思います


私が特に好きなのは、「約束」「おーい でてこーい」「暑さ」「悪魔」「鏡」なんかでしょうか

宇宙人が出てきたりしてSFの要素が強い話もあるのですが、近未来に起こりそうなことでもあり人間の欲深さとか愚かしさにぎくりとさせられます


作者がショートショートで扱う人間の性って、たぶんいつの時代も変えられない・変わらないものです


「約束」は嘘をつくこと、「おーい でてこーい」は目先の利益しか考えないこと、「暑さ」は人間の狂気、「悪魔」はお金に対する執着、「鏡」は残虐性…

本に収録されているお話のほとんどは、半世紀ほど前に書かれたものです

それでも現代の価値観で生きる読者の心にぐさりと来るのは、人間の不可変の部分が鋭く切り取られているからでしょうね


たった数ページでこれほど中身の濃い物語を簡潔に語れるのは本当にすごいなと思います

それに加えて現代で社会問題となっていることや、AIとかロボットだとかが既に扱われています

作者の構成力と先見性には脱帽です…


野菜も食べます🫛🌽🥕

イイね!
     

「ぼく」と「きみ」のこと



おはようございます☀


満開だった桜も、すっかり若葉の緑が目立つようになりましたね

みなさんお花見は間に合いましたか…?


家の周りはツツジが咲き始めて綺麗でした💐

桜の儚いピンク色もかわいいですが、ツツジの鮮やかなピンクは元気が出ます(o´▽`o)


明日9:00〜15:00で出勤です

お時間があればぜひ^^

………………………………………………………


今日は筒井◯隆「時をか◯る少女」です


ドラマにも映画にもアニメにもなっている名作ですね


読んで思ったのは、筒◯康隆、こんな爽やかで優しいものを書くんだなあということです

今まで読んだ彼の作品はすごい毒のあるというか、快い話は少なかった気がします💭


作者は、

「この本は孝行娘ですよ。よく稼いでくれます」

と発言しているので、単純に売れる作品を書いただけかなと思いますが…笑


小中学生頃の子どもに向けたジュヴナイル小説ですから、ストーリー以上のメッセージ性とかはないと思います


よく指摘されることですが、この小説は現在の「ライトノベル」の走りなのですね

SF、恋愛、超能力、セカイ系の要素が詰め込まれています

セカイ系というのは日本のアニメとか文芸作品によく見られる物語構造で、主人公の「ぼく」とヒロインの「きみ」の関係が、世界の危機や滅亡に繋がってしまう……と言うやつです


1965年に書かれた作品なので言葉遣いなんかはちょっと古い感じがしますが、青春の甘酸っぱさとかタイムリープとか、今読んでもすごく面白いです

大人でも子供でも楽しめると思います


昔も今も、読者が求めるものはあまり変わらないのかもしれません

あえてそれに迎合したものを書いてメディアミックスに成功するほど人気を得ることができたのは、やはり作者のすごいところだなと思います(o´▽`o)


チャーシュー麺🐷

たまには贅沢です❣️

イイね!
     

オーラのこと


こんにちは🌱


明日15:00〜23:00で出勤です

お時間があればぜひ^^


先日、上◯公園に桜を見に行きました



老若男女、国籍も関係なくみんなが楽しそうにお花見をしていました

桜はいいですね

人を惹きつける何かがあります


今日の風雨で散ってしまわないといいです…


………………………………………………….…


今日はヴァルター・べ◯ヤミン著「複製技術時代の芸術」です

半年以上前に親しい人に紹介されて読んだのですが、原典を当たってもいまいち理解が進みませんでした…

解説書を読んだり関連する論文を読んだりして、漸く自分なりの解釈と少しの意見を持つことができたかなと💭

そんな代物です笑


ベン◯ミンは1900年代を生きたド◯ツの哲学者であり思想家であり評論家です

この本は彼の評論で、芸術と大衆との関係を「アウラ:Aura」という概念を用いて論じています


アウラとは、英語で言う「オーラ」のことです


著者曰く「アウラ」とは、ある物がそこに成立して以降、その"空間"で積み重ねて来た"時間"のこと

主体がその"時間"を知覚することで、ある物が「いま、ここ」にしかないという、「一回性」においてもっている重さや権威を「アウラ」として感じます


芸術作品は、例えば宗教画は人々に礼拝をさせるために教会に描かれ、王の肖像画は王家の権威を高めるために宮殿に飾られました

宗教画とか肖像画とか、こうした芸術作品は儀礼的な"場所"と結びついて

「礼拝価値」=アウラ

を持っていたのですね


しかし、写真の発明によって芸術作品はカメラで撮影され、書籍だとか色々なメディアに収められるようになります

私たちは、礼拝価値ではなく「展示価値」によって芸術を眺め始めたのです

そして芸術が"場所"から切り離されることで、「アウラの凋落」が発生するのです


ただ、著者はアウラの凋落をそんなに批判していません

『大衆はあらゆる所与の一回性をその複製の受容により克服しようとする傾向を示している』

と述べています

アウラから脱することは、可能性を広げることでもあるのですね


現に私たちは、オーケストラの奏でるクラシックにしろアイドルのライブ音源にしろ音楽を持ち歩けるようになり、映画では様々な時間と空間を往き来して楽しめるようになりました


私たちは、ある物が「いま、ここ」にあること、一回限りであることよりも、「近くにあること」を重視するようになったのでしょう


一方で、「オリジナル」に価値が置かれるようになったのも複製技術が進歩した近代以降のことだと思います

そうなると、オリジナルから発せられる「アウラ」が重視されるようになったのも、宗教画とか王の肖像画に礼拝価値よりも展示価値を認め、「芸術」として眺めるようになった近代になってからでしょうね


そもそも「オリジナル」という概念は近代になってから、集団の中の個々人が、自己と他人をはっきりと区別できるようになって生まれたの概念ではないかなと思います💭

自分が唯一無二であることを自覚できるようになって、物にもそれか適応され、価値を置くことができると気がつき始めたのではないでしょうか…


うずら海苔多めです🍥

イイね!
     

スイッチのこと



こんにちは🌱



先日ご飯に行ったところからの眺めです📸

麻布◯ヒルズ、流石に大きいですね

東京タワーより3m低い、330mとのことです

存在感がすごかったです(o´▽`o) 

もっと近くで見てみたいです👀


本日15:00〜23:00で出勤です

お時間があればぜひ^^


………………………………………………………


今日は松○清張「小説 帝銀◯件」


N◯Kで未解決事件を検証するシリーズが時々放送されているのですが、それで「松◯清張と帝◯事件」という回を見ました

それが思いの外面白かったので、読んでみようかなあと💭


タイトルに"小説"とありますが、裁判記録をもとに事件の経過が綴られており、ほとんどノンフィクションです


帝銀◯件とは、戦後直後まだ連合国軍の占領下にあった時の銀行強盗殺人事件です

犯人は連合軍の衛生員を名乗り、感染症の予防薬と騙って銀行職員らに青酸カリを飲ませます


12名が死亡し今の価値に換算すれば2,000万円近くの現金と小切手が盗まれました


捜査により捕まったのは画家の男でした

当然極刑が言い渡されれたのですが、取り調べによる男自身の自白はあるものの直接的な物的証拠はほとんどなかったのです

作者はこの事件の真犯人は旧陸軍の関係者であると考え、その真相を連合軍が占領統治のために隠蔽したのではないかと疑います___


………………………………………………………


みうらじ◯ん氏による評論で、清張作品の中で凡人が金や女に目が眩みやがて破滅につながる選択をすることを

「清◯スイッチを押す」

と表現しています


しかし現実の帝◯事件で犯人とされた男に、そんなスイッチを押した瞬間はなかったと思います


モンタージュ写真が本人に似ているとか、犯人との筆跡の類似性とか、認知症を患っていたことによる虚偽の証言とか、「何となく疑わしい」が積もり積もってマスコミが動き、世論が煽動され、男の犯人説が大衆に支持されていきました

占領下の混乱もあり、そうした世論が裁判に大きな影響を与えたようです


判決は死刑でしたが、30年以上刑の執行がないまま男は獄中で病死します

きっと冤罪を疑われていたのでしょうね 


松◯清張と言えば推理ものとか時代ものですが、そのような完全なフィクションでは明確な「スイッチ」があり、因果応報が存在します

しかし現実の世界では、事件の犯人とされた男のように圧倒的な不条理に巻き込まれることもあるのですよね


いつの時代も人生は理不尽で、大衆は無責任だなあと思いました( ´~` )


たまにはワンタン麺です🍜

イイね!

Momoe(20)

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無くしたもののこと



おはようございます☀


今日から3/31(日)までイベント期間です❣️

今回は私服でお迎えです


私服イベントは何を着るか悩むのですが、テーマはいつも「デート服」に設定しています…笑


今日は15:00〜23:00、明日は9:00〜15:00の出勤となります

お時間があればぜひ^^


……………………………………………………


今回は久しぶりに近代文学です

谷崎◯一郎「◯雪」です


むかし手に取ったことがあったのですが、読み切れずに途中でやめてしまいました…

本棚にあるのが目に入る度に気になっていたので、先日ついに読了できて喜びも一入です👏


当時それまでに読んでいた谷崎◯一郎の作品は、「痴◯の愛」とか「春◯抄」とか耽美派の王道的なものばかりでした

その勢いでこの物語を読んだところ、ストーリーは割とほのぼのとした、大正から昭和に生きた四姉妹の今で言う"日常系"なお話しで、

「なんか違う…」

となってしまったのですね(・・;)

あとはすごく長いのも読みきれなかった一因です

文庫は三巻に分かれています


物語の主人公は四人の姉妹です

彼女たちは今の大◯府は船場の旧家に生まれ、上の二人の姉が下の妹たちの結婚相手を探し奔走する…

というような粗筋です


姉妹は亡くなった親譲りの資産で暮らしており、日々芸事をしたり綺麗な着物で出掛けたりと物凄いお嬢様ぶりを発揮しています

軍靴の音が近づく軍国主義の時代において、そんな緊張を感じさせない呑気で優雅な生活を送っているのです


いくら上流階級に生まれたとはいえ、彼女たちの美しい生活は戦争によって数年後に破壊されてしまうのを私たちも作者も知っています


そしてそんな、古き良き時代はもう戻らないのです


滅びてしまった日本の文化、言葉、風景を徹底的に描き尽くし、その美に耽るという意味では、谷◯潤一郎でイメージされるようなエロもグロもないけれどやはり耽美派小説なのですよね


姉妹は可愛らしく退屈とも言えるほど平和な物語です

しかし失われたものに対する物悲しさは確かに行間に募り、いつまでも読者に哀惜の念を抱かせるのです…


おすすめです( ´﹀` )




ご飯無料でした🥹

イイね!
     

働くこと



おはようございます🌤️


桜の開花予想が発表されていますね🌸

都心の開花は3/21、満開は3/28のようです

(発表する機関によって、微妙にずれがありますが…)


今年は暖冬と言われていたのでいつもより早まったりするのかなあと期待していましたが、ほぼ例年通りの様です

何事も帳尻は合うものですね…笑


本日15:00〜23:00で出勤します^^

お時間があればぜひ


………………………………………………………


今日は河◯新報社著「河◯新報のいちばん長い日」です

何年か前に読んでから、3月になるといつも思い出して眺めている本です


あの震災に際して地元紙・河◯新報社が何を報道したのか、自らも被災した記者たちは何を思いペンを執り続けたのかを記録したドキュメントです


新聞社の第一線たる報道部や写真部の他に、発行を支える印刷センターや販売店、炊き出しを行った「おにぎり班」など、未曾有の大災害に見舞われた中で新聞を発行し続けた人々について、詳細に記述されています


中でも心に残る女性記者がいます

原発事故を受け、退避指示に従って一時福◯県を離れます

その後すぐに被災地に戻り取材活動を行うのですが、例え一時でも現場から離れた事を新聞記者としての使命を全うできなかったと考え、あの年の夏に記者を辞めてしまうのです


新聞記者としての使命が心に深く根ざしていたからこそ、避難したことを後悔し傷つき、自らを許すことができなかったのかなと思います

職責と自身の安全との間で揺れ動き、懊悩する姿に胸が痛みました


どの人々も自身だって被災者であるにも関わらず、報道という極限まで現実に向き合う仕事に身を晒し続けた勇気や、ジャーナリズムの精神に頭が下がります

情報が遮断される中で地元新聞だけが果たせた役割は大きかったはずです

きっと多くの人の支えになっていたのではないかなと💭


災害が起きた時、現地で最初に医療、行政、報道などのライフラインを担う人だってまた被災者ですね

日常が崩壊した時に、自身や家族を思えばそこから逃げるのも辞めるのも正しい選択で、誰も非難できないと思います

それでも自身が社会の中で託された職業的役割を果たそうとするのはなぜでしょうか💭


きっと仕事に就くということは、自己の犠牲も厭わない大きなアイデンティティを形成し得るのでしょうね

この本を読むと、そういう芯のある、社会の役に立つような人間になりたいなあと将来に思いを馳せてしまいます


台◯料理の牛肉麺です🇹🇼

イイね!
     

腰巻ビルのこと




おはようございます🌱


先日は3月なのにちらちら雪が降りましたね

( ´ー`)

1月の方が暖かかった気がします

ここから先は日に日に春らしい気候に向かうのでしょうか💭

早く桜が見たいなあと思うこの頃です🌸


明日15:00〜23:00で出勤です^^

お時間があればぜひ

………………………………………………………


今日は五十嵐◯郎「建築の◯京」です

建築史家・建築評論家の著者が、首都東◯がどのように作られてきたのかを様々な建築物や都市計画を通して検証しています


私は新◯とか渋◯とか丸◯内とか大きな建築物が建ち並ぶ景観が好きなのですが、中でも「腰巻ビル」と呼ばれる建築がすごく気になるのです

腰巻ビルとは新しいビルを建てる時に、低層の古い建物の外装をそのままにして、保存を図った建物のことです

外観としては古い建物の上に高層ビルがそのまま乗っかっているような感じですね

銀◯の新歌◯伎座とか、丸◯内の商業施設K◯TTEとかです

何でこんなビルが出来たんだろう🤔と、漠然と◯京の街づくりに興味があったので、今回はこの本を読んでみました


腰巻ビルについて、

「昔の建物の外観は残っているが建物自体をきちんと保存した訳でもなく、かと言って上に乗るビルは足元の様式的な古の建築を引き立てる“黒子"であって、街の象徴になるような新しさもない」と語られています


確かにそうですよね

あの見た目は何となく不自然です…

だからこそ私は興味を持ったのだと思いますが、この建物は正解なのかな💭と見つける度に思っていました笑

低層部の建物はなんか中途半端に残されて可哀想だし、ビル部分は古い建物からぬるっと生えてきたような違和感があります


腰巻ビルは丸◯内とか大◯町に散見されますが、あの辺りに勤める方々はそんなことに構っていられるかという感じなのでしょうかね

呑気にビルを見て違和感を覚えているのは、少数派でしょうか…


著者は東◯は個性に欠けた保守的なデザインのビルが乱立するようになり、その景観はむしろ懐古的になっていると述べています

確かに最近都心には次々と新しいビルが建てられていますが、どれも似たような外観に似たような店舗が入っている気がします


そうした無個性なビルによる都心の再開発が進めば、きっとどの街も画一的な街並みになってしまうのではないかなと思います


でも新◯の都庁とかコクー◯タワーとか、ああいうランドマーク的な、前衛的とも言える建築が今の東◯の人々に受け入れられるかと言えばそこは微妙な気がします

人々が保守的になっているから都市の街並みも懐古主義に基づく、当たり障りのないものになっているんじゃないかなと💭


みんな堅実に正しく生きるしかないこの時代に、奇抜で波紋を呼ぶ様なスゴイ建物が現れるのを見たいなと思います

ハコが変われば中身も変わるんじゃないですかね

そんな単純でもないのかな笑


担々麺です

器の龍がかっこいい🐉🐉

イイね!
     

オイディプスのこと



こんばんは🌙


2月も今日で終わりですね( ´ー`)

月末が訪れる度に言っているような気がしますが…

日々があっという間に過ぎ去ってしまいます⏳

歳月人を待たずとか光陰矢の如しとか言いますが、本当に言い得て妙です🏹


明日15:00〜23:00

明後日9:00〜15:00

で出勤します

お時間があればぜひ^^

………………………………………………………


今回は田◯慎弥の「共◯い」です

前回から現代の純文学が続いていますね(゚∀゚)

近代、現代問わず純文学が好きです

読んでいて何となく落ち着きます


短編が2話収められているのですが、表題作「共◯い」は徹底的に暴力と性が描かれる物語です

こういうテーマは好き嫌いが分かれるかと思います

私は人間の嫌な所、暗い所を描き切ったこの作品が結構好きです


舞台は本州最西端山◯県は下◯市のとある川辺の町

主人公の少年は高校生で、父とその内縁の妻と共に暮らしています

彼は交際している歳上の彼女がいるのですが、父が女性と交わる時に暴力を振るう癖があることを知り、自らもその血を受け継いでいるのではないかと恐れるようになります

そしてある夏の夕、神社の祭りが大雨で中止になったことをきっかけにある事件が起こるのです…


作中では、主人公が住む田舎の風景、とりわけ「川」や「魚」や「蝸牛」が細かに描写されています

見事だなと思ったのは、そういう対象に少年の周りにぬめりついて離れない「暴力」と「性」のイメージがうまく託されている所です

すごく質感のある文章だなと思いました


暴力の衝動から逃げられなかった父とそれに抗おうとする少年、その結末はエディプスコンプレックスの物語とも言えます

もっと言うと、カタルシスをもたらした川の氾濫は上述したエディプスコンプレックスの語源たるギリシア神話になぞればデウカリオンの洪水でしょうか

色々と深読みし過ぎですかね(・・;)


暴力と性が目立つセンセーショナルな物語ですが、いろんな象徴が散りばめられていて構造的にもすごく良く出来ているんじゃないかと思いました



深夜のラーメン🍜


甘いものも好きです🍓

イイね!
     

ままならないこと

 

こんにちは🌱


今週はだいぶ暖かくなる予報が出ていますね🌤️

先日雪が降ったと思ったら、もう4月並みの気温になるそうです

三寒四温と言いますが、こういう季節のうつろいを感じる時期は無くなってしまうのでしょうか…


本日15:00〜23:00で出勤です💝

お時間があればぜひ^^


………………………………………………………


今日は西村◯太「苦◯列車」です

2011年に芥◯賞を受賞しています


(本当は今年の芥◯賞、九段◯絵「東京◯同情塔」について書きたかったのです…

色々と思ったこと感じたことがあり、それらを書いては消しを繰り返していたのですが、いつまでも収拾がつかないのでちょっと保留です💦)


本作は中卒で日雇い労働をしながら、その日暮らしをする少年が主人公です

しかしこの主人公が最悪で、性格は卑屈で粗暴で短気で見栄っ張り、友達も恋人もおらず稼いだお金は全て風◯と酒に使い込み、家賃は滞納を重ねて安アパートを転々とする始末…

作中では終始、彼の生活の有様や心情、他人との僅かな関係、心を占める孤独が淡々と描かれてゆきます


実はこの作品、少年に作者自身を投影した私小説なのです

「1割の話を面白くする”盛り”を除けば、9割は実話である」

とのこと

これを踏まえて本作を読むと、作者がとんでもなく下衆な人間に見えるかもしれませんが、私は彼の人間臭いところがとても好きです笑


作中では社会の最底辺とも言える生活が赤裸々に描かれています

主人公はまだ10代ながらも楽しいことなんか全然起こらず、夢も希望も未来も全く見えない中で人生こそ苦役であると悟ります

それでも妙に暗くないというか、孤独で貧乏でもそんなに悲観していないようなのです

彼にとってはそれが当たり前だからでしょうか


社会に悪態をつきながらも、誰かを陥れたり弱い者を虐めたりせず生きている姿はいっそ清々しく思えました


主人公の生い立ちとして、彼の父は犯罪を犯して捕まっており、そのことが彼の成育環境にも人格にも大きな影響を与えています


彼の育ちに限らず、現実の私たちの人生もままならないことばかりですね

覆し難い境遇、自分ではどうしようもないことをプラスの原動力として凄まじい努力をできる人もいれば、そうではない人もいる…

きっと私も含めて多くの人は「そうではない」側だと思うのですが、昨今の社会ではまるでそれが悪いこと、不遇の全ては自己責任であるかのような風潮です

社会の利益を考えればそれが正論なのかもしれませんが、ひとりひとりの人生と幸福にとっては果たしてそれが「正解」なのでしょうか💭


この本を読むと「そうではない」側であることを肯定されている気がしました


うずら多めです

イイね!

Momoe(20)

T158 B82(C)W56H83

プロフィール

11/22(金) 11/23(土) 11/24(日) 11/25(月) 11/26(火)
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輪廻のこと


こんにちは🌤️


一月もあっという間に過ぎ、明後日はもう節分ですね👹

そして節分の翌日は立春です…!

早く暖かくならないかなあと、春を待ち侘びる日々です


明日金曜日、15:00〜23:00で出勤します

お時間かあればぜひ^^

………………………………………………………


先月、芥◯賞と直◯賞が発表されましたね


今回は直◯賞受賞2作品のうちの1作、河﨑◯子「とも◯い」について


明◯時代は日露戦争が近づく頃、北◯道の山奥に籠り狩猟生活を送る男を描いた物語です


「マタギもの」というのでしょうか

以前紹介した吉◯昭も、熊と人間の闘いを描いた作品を書いています

熊との死闘、大自然の中での命のやり取り…

自然から隔絶した現代の安全圏で暮らす私たちにとって、頂点捕食者の地位を脅かされる世界を覗くのはやはりどきどきします

それでもこういう物語に惹かれるのは、怖いもの見たさというやつでしょうか


私は北海道の山も川も鹿も熊も銃も血の匂いも知りません

でもこの本を読むことで、それらを実際に眺めて触れて、主人公が営んだ人と動物の生死の循環に食い込んだような気がしたのです

細かい自然の描写や、臨場的に描かれた狩猟場面など、とにかく生々しい文章のおかげかなと思います💭

圧倒的な表現力です


主人公の男は時折里へ下りて獲物と銃弾を交換しに行く以外は、ほとんど文明に触れず、ひとり山小屋で生きていました

熊や鹿を撃ち、それらを食べひたすらに「生きる」意外に、人生に意味などなかったのです

「幸福」とか「愛」とかいう人間的な概念は存在せず、理解する必要もありませんでした

そうして生命を全うすることだけに時間を捧げる姿は、彼が狩る獣たちと似通っていたのです


しかしある出来事をきっかけに、彼の生きる理由は変化して行きます…


生があれば必ず死があるように、人も動物も与えれば奪われる

主人公も里の人々も山の動物も、結局のところはみんな命ある獣として、共喰いの輪廻の中で生きるしかなかったのでしょう


小説の世界観に一気に引き込まれます

面白かったです(o´▽`o)


つけ麺🍥

美味しくて通っています…

イイね!
     

恋物語のこと



おはようございます☀️


先日の夕方、ふと日が延びたことに気がつきました

まだまだ寒さは厳しいですが、少しずつ春が近づいていることが感じられて嬉しいです!

(o´▽`o)


本日15:00〜23:00、明日9:00〜15:00で出勤します

CAさんでお迎えです✈️

お時間があればぜひ♡


………………………………………………………


今日は伊藤◯千夫「野◯の墓」について


千◯県は矢◯の渡し周辺を舞台に、主人公の15歳の少年と彼の従姉で17歳の少女との悲恋を描きます


夏目◯石が作者への書簡にてこの作品を、「あんな小説なら何百篇読んでもよろしい」と褒めています


プラトニックな純愛の物語です

屈折した見方かもしれませんが、こういうのが好きな人は多いだろうなと思いました

個人的には、どうも私はこの手の小説が苦手なようです🌀

愛とか恋の物語を、素直に受け取れるようになりたいです…(・・;)


それでもこの小説に惹かれた理由はストーリーの展開よりも、作者による風景描写とかにある気がします


物語の前半部分では花や風の輝きが無垢な二人を祝福し、彼らもまた互いを花に喩えて気持ちを伝え合う

若い恋心が田園が広がる農村の景色を通して爽やかに描かれるのです


直接的に表さずとも自然の描写による詩情で可憐な恋心を描くことができたのは、作者が歌人でもあった故でしょうか

見事だなと思います


文学史的な話をすると、この小説は自然主義にも浪漫主義にも当てはまらないと思います


ヒロインが歳上であることを理由に、二人の結婚は認められず彼女は無理矢理に他家へ嫁がされてしまいますが、自由恋愛が難しく、結婚に関して女性の意思がままらなかった時代、こういうことはよくあったのだと思います


浪漫主義的な激しさや、自然主義的な内面を赤裸々に告発するえぐさとも距離を置き、市井の人にとって一般的であったかもしれない恋物語を淡々と描いたこの作品は、多くの人にとってすごく身近に感じられたのかもしれません💭

普遍性は大事ですね^^


チーズ&スクランブルエッグのせです🍅

イイね!
     

動機のこと



おはようございます☀


年末年始はゆっくり過ごせましたか👀


いろいろニュースがあって、お正月は何だか忙しなく過ぎてしまった気がします


多くの人に早く平穏な日常が戻ると良いです


……………………………………………………


今年最初に読んだのは連城◯紀彦「戻り川◯中」でした


大正〜昭和初期を舞台とした推理小説です

五つの短編から構成されていて、それぞれの話の中で花がモチーフに使われています


5編とも「なぜ犯行に至ったか」を主眼としたホワイダニット(Why done it?)の小説で、ミステリの面白さも一流ですが抒情的な文章が非常に文学的で美しく、小説の世界観に浸ることができます


本書の内容からは逸れますが、ミステリ小説の分類として上記のホワイダニットの他に


・「誰が犯人か」を主眼としたフーダニット(Who done it?)

・「いかにして犯行を成し遂げたか」を主眼としたハウダニット(How done it?)


があります


フーダニットは名探偵コ◯ンとか金田◯少年の事件簿に多く見られますね

ハウダニットは古畑◯三郎や東野◯吾のガリ◯オシリーズなんかでしょうか

それぞれを掛け合わせたミステリも多いと思います

ミステリは倒叙型とか叙述トリックとかの技巧や、社会派、日常派、ノワールなど分類に注目するのも面白いです


本作はどのストーリーも共通して、男女の悲恋が描かれています

登場人物の心の底にある誰かへの強い気持ちが、やがて犯行に結びついてしまう…

殺人は倫理的に認められないし動機に深く共感することはできないけれど、納得はできてしまうのです

こういう体験ができるから推理小説は面白いのかもしれませんね💭


犯人はみな憎しみから殺人に手を染めるのではなく、誰かのため、何かを守るために犯行に及びます

そんな登場人物たちの哀切に満ちた物語に引き込まれてしまいました

ミステリと文学的な美しさが両立した、見事な作品でした


わかめ増しです^^

イイね!
     

サンタを齧ること





おはようございます


本日15:00〜23:00で出勤です

お時間があればぜひ^^


クリスマスはケーキをふたつ食べました!


デコレーションでのっているサンタとかトナカイは、いちおう齧ってみるタイプです…笑


今年のケーキはひとつは砂糖菓子だったのでちょっと嬉しかったです☺️

何歳になってもクリスマスのケーキは特別ですね


………………………………………………………


年の瀬も押し迫り部屋の片付けをしているのですが、いつか買ったまま放置していた本がぽつぽつ発掘されています(・・;)


全てを年内に読みきれそうにはないのですが、そんな中で最初に手を付けた泉◯花の「高◯聖」を紹介します



物語の語り部の「私」が旅の途中で出会った僧から、怪奇譚を聴くという形式です


この小説は

「私」が僧の話を聴いている世界→僧が体験したある「女」に纏わる怪異の世界→「女」を巡るの過去の世界

という風に三重の入れ子構造になっています


語り手は

私→僧→「女」の過去を知る縁者

と変化するのですが、徐々に物語の時間軸と語り手が現実から離れることで、読者はより深く幻想的な小説の世界に引き込まれていきます

(こういう技法は怪奇小説とか幻想小説にはよくありますね)


ストーリーの中で僧は修行の旅の途中、山奥である美しい女に出会います

彼女は白痴の夫と縁者らしき老人と共に暮らしているのですが、その正体は男の旅人を家に泊めては、飽きると獣に変えてしまう魔性の女なのでした…


小説の文体としては体言止めが多く、リズムが良いのが特徴かなと思いますがちょっと独特ですね

泉◯花は他もこんな感じなのでしょうか💭



私は怪奇小説が結構好きなので純粋にストーリーを楽しみましたが、注目したいのは「女」かなと


女には旅人の男を誘惑しては獣に変えてしまうという「魔性」と、歌う以外は何もできない白痴の夫へも純粋な優しさを見せる、「聖母性」が同居しているのです


こういう女性は魅力的ですよね

谷崎潤◯郎の「痴◯の愛」に登場するナ◯ミとか、「春◯抄」の◯琴とかも、非常に冷酷で暴力的な面と愛情深い面を併せ持っています


この話の女に宿る「魔性」の原因は悲しみだと思います


そもそも女は故郷の村と家族を洪水で失い、共に生き残った夫の世話を焼きながら生きていました

また、僧には「自分がせがんでも決して都の話をしてくれるな」と言います


外の世界への憧れを抱きつつも山奥で暮らすしかない運命の悲しみが、外界から来る者に対して発揮される魔性を宿らせたのかなと思います


ではなぜ僧は獣に変えられずに済んだのかと考えると、それは彼が浄らかだったからでしょうか

僧が女に欲情するシーンがあったり、修行を止め彼女と一緒に生きたいと望んだり、彼が無欲な人物でなかったのは確かです


彼の浄らかさというのは、


「(女の)その男に対する取廻しの優しさ、隔なさ、深切さに、人事ながら嬉しくて、思わず涙が流れたのじゃ。」


と語るように、女が夫に見せる優しさに対して涙を流すほどの無垢で純粋な心の持ち主であったことだと思います


この小説がただの不気味で不思議なお話しで終わらないのは、女や僧が持つ心の浄らかさや悲しみが、読者の心に余韻を引くからではないかな、と思いました


絶対美味しいやつ🍥

イイね!
     

自由のこと


おはようございます


ようやく本格的に寒くなったなあと思っていたら、明後日はもう冬至のようです

少しずつでも日が延びていくと思うと嬉しいです^^


自撮りの通り、先日から一足早くサンタさんになっております🎄

本日15:00〜23:00で出勤しますので、お時間があればぜひ^^


………………………………………………………


今日は木◯昇「漂◯のうたう」です

すごく大事にしている本です

どう生きるかを考えさせられます


舞台は江戸から明治に変わった頃、今は無き根◯遊郭に残された人々の話です


主人公の定◯郎は御一新により武士の身分を失い、妓楼の立番という仕事に流れ着きます

身分から解放され「自由」を手に入れた筈なのに、どう生きれば良いのか分からない

ここではない居場所を求める気持ちがある一方で、人生を諦め、投げやりな気持ちを抱き続けています


そんな定◯郎とは対照的に、妓楼でトップを張る小◯菊花魁や遊郭で生まれ育った番頭の龍◯は、自らの境遇に腐ることなく芯を持って生きています


定◯郎と彼女達の違いは何でしょうね💭


定◯郎は武士の身分を失ったがために◯津遊郭で働いているとは言え、いつでも去ることが出来る自由があります

一方で小◯菊や龍◯は生い立ち故にそこで生きるしかない、籠の鳥なのです


しかし真に「自由」なのはどちらなのかなと


「そんなに奪えるもんじゃあないんですよ、その人の芯にあるものなんてさァ。周りが奪えるのはね、些細なもんなの。せいぜい巾着くらいなもんですよォ」


定◯郎は、時代よって身分を奪われ、生き方を奪われ、人生そのものを奪われたと思っていました

何かのせいにしている方が遥かに楽ですからね…

でも彼は「奪われた」という思いに囚われて、「どう生きるか」という思考を手放していたのだと思います


現代だって良くも悪くも、「どこで生きるか」は生まれついた時にある程度決められてしまっていると思います

大どんでん返しでもしない限り、それぞれの身の丈合ったステージで生きていくしかないのです


でも「どうやって生きるか」、何を人生の主題にするかは自ら選び取れるんじゃないかなと…


そういう「自由」に目を向けて生きていければと思います(o´▽`o)


ベーグルです🥯

イイね!

Momoe(20)

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プロフィール

11/22(金) 11/23(土) 11/24(日) 11/25(月) 11/26(火)
15:00~23:00 15:00~23:00 15:00~23:00 15:00~23:00 --

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