MomoeのブログMomoe's blog

     

老いのこと


おはようございます☀


毎日暑いですね…🥵


6月でこの気温だと、来月再来月はどうなってしまうのでしょうか( ´~` )


こう暑いと外出も嫌になるので、最近家でうどん打ちを始めました

意外と運動にもなります🤽‍♂️

蕎麦打ちよりは簡単だと思うのでおすすめです…笑


本日15:00〜23:00、明日13:00〜23:00で出勤します

良かったらぜひ^ - ^


………………………………………………………


今回は有吉佐和子「恍惚の人」です

1972年に刊行され、その年のベストセラーになりました

また、「恍惚の人」は流行語にもなったそうです

それほど人々の関心を集めた小説だったのですね…


主人公の昭子は夫と高校生の息子と暮らす主婦で、平日はタイピストとして働いています

ある日、姑の急死をきっかけに昭子は舅、茂造の異様な言動に気がつきます

茂造は認知症を発症していたのでした

症状は悪化の一途を辿る一方、茂造の介護の負担は昭子一人にのし掛かり、彼女は家事と介護と仕事の両立に喘ぐことになるのですが…


すごく面白かったです


ある家庭で介護に苦しむ女性と認知症の当事者を中心としたストーリーですから、悲劇にすることは容易だったと思います

しかし作者は、介護問題によって生まれる家族間の軋轢や介護者の苦悩だけではなく、認知症患者との噛み合わない会話に思わず笑ってしまうような「おかしみ」を見出していたり、介護者が被介護者にあたたかな気持ちを抱くようになる過程までをも、すごく丁寧に描いているのです

そういう作者の細やかさによって読者は昭子の立場に感情移入することが可能になり、そして昭子に降りかかった介護問題を自分ごととして見ることができるようになるのではないかと思います


この本が書かれた当時、男性の平均寿命は70歳、女性は75歳でしたが、現在は男性が81歳、女性が87歳にまで延び続けています


小説中では昭子による約一年の介護の後に茂造は他界しますが、もし現代を舞台とすればきっとそうはいかないでしょう…

昭子たちも何年間も自宅での介護生活が続けば、一家は悲劇的な運命を辿っていたかもしれません


しかし作者が介護による家族の破綻を描かなかったのは、来るべき超高齢化社会に絶望しきってはいけないというメッセージなのかなと思います

自らがいかに老いるか、そのためにどう生きるか、そして家族をいかに介護するかを社会に問いかけ、一人一人に真剣に考えさせるきっかけにしたかったのかもしれませんね💭


読みやすいのでおすすめです!( ˊᵕˋ )




📸フライドチキンパンケーキでした…カロリーの暴力

イイね!
     

文体のこと/美術館雑記




おはようございます( ˊᵕˋ )


先日、久しぶりに美術館に行ってきました!


お茶碗などの骨董がメインの展示でした

小さいところですが、貴重な品を見ることができて楽しかったです

こういう時間を持つのも、たまには良いですね…


撮影できた展示品の中から、お気に入りをUPしてみましたのでぜひ見てみてください😏


本日15:00〜23:00で出勤します

お時間があればぜひ^ - ^


………………………………………………………



今回は1971年の芥川賞受賞作品、古井由吉「杳子」です


引きこもりの大学生「S」は登山に出かけた先の山中で、一人動けなくなっていた「杳子」という女性に出会います

その時Sが杳子を助けたことをきっかけに二人は交流を持つようになりますが、杳子は精神を病んでおり、生活の中で異常なこだわりや神経症的な不安定さを見せるのです

しかしSは病を抱える杳子に惹かれてゆき、杳子もSとの関係を深めてゆきます…


こう書くと心に闇を抱えた若い男女による純愛小説のようですが、それだけでは終わらないのが純文学です


男女間の性とか愛の描写はあるけれど、恋愛的な要素に終始しないのは作者の文体の所為だと思います


私は純文学における文体とは、文章の美しさとか上手い下手のことではなくて、書き手によって選択された語の配置とか音によって文章から匂い立ってくる「何か」を指すのかなと思います

「何か」には「格」とかそんな感じの言葉が合うのかなと考えたのですが、的確な表現が浮かびません…

ごめんなさい<(_ _*)> 


話を小説に戻すと、杳子とSをただリアリズムに依って描いたら精神的な病の為に不可思議な行動を繰り返す変わった女の子と、そんな彼女を好きになる特殊な男の子にしかならないでしょう

また、杳子が見て感じて生きている世界を作者はすごく緻密に描いているのに、それがただの狂気にならないのもやはり、作者の言語を操縦する技術と構成の力によって確立された確固たる文体のお陰なのだと思いました


この本を読みながら、文体というものについて改めて考えさせられてしまいました🤔

やっぱり文学は難しいですね

読み手として、まだまだ未熟です(・・;)




🏋️‍♂️

イイね!
     

辿り着くこと


こんにちは☀️


先日から急に気温が上がりましたね


コンビニとか喫茶店では冷たいスムージーとかフローズンドリンクがおすすめされていて、つい飲みたくなってしまいます🍹


冷たいものの飲み過ぎは身体に良くないと分かっているのですが…(・・;)

今夏はほどほどにしたいです


本日15:00〜24:00、明日13:00〜23:00で出勤します

お時間があればぜひ^ - ^


………………………………………………………



今回は永井紗耶子「木挽町のあだ討ち」です


江戸時代を舞台にしたミステリーで、2023年に直木賞と山本周五郎賞をw受賞した作品です


江戸は木挽町、芝居小屋で働く菊之助という少年がある夜、父親の仇である男を討ち取ります

まるで芝居の一幕の様な仇討ちの場面は町の人々の語り種となりますが、菊之助は姿を消してしまいました

その2年後、菊之助の縁者と名乗る青年が木挽町に現れます

彼が仇討ちを目撃した人々を訪ねて当時の話を聞いて周るうちに、事件の新の真相が明らかになってゆくのですが…


物語は全六話で構成され、一話ごとに語り手が異なります

常に一人称の視点なので、ミステリーによくある「信頼できない語り手」を用いた叙述トリックで、最後に仇討ちの真犯人が明らかになるのかなと思ったのですが、ちょっと違いました

作者に見事に騙されてしまいました…笑


徐々に事件の輪郭が顕になってゆく過程は、ミステリーとして非常に面白かったです

語り手たちの話によって仇討ちの経緯が判明するに連れ、断片的だった情報から菊之助の抱えていた葛藤や気持ちが明らかになり、どんどん物語世界に引き込まれてしまいました


また、語り手たちは皆少し訳ありで、身の上に事情を抱えています

それぞれが迷いや苦しみを経て木挽町の芝居小屋に流れ着き、菊之助の元でそれらの人生が交差するのです

それぞれの登場人物たちが織りなす人生模様に心打たれるのも、この本の楽しみかもしれません

ミステリーと江戸の人情噺、両方楽しめる物語です(o´▽`o)




醤油ラーメンが美味しいこの頃です🍥

イイね!
     

連続すること



おはようございます🍀


ゴールデンウィーク、終わってしまいましたね…

次の連休は7/19〜7/21の土日と海の日の三連休だそうです

先は長いですね…

六月にも祝日があれば、気持ち的に少しは楽でしょうか( ´~` )


本日15:00〜24:00、明日13:00〜23:00で出勤します

お時間があればぜひ☺️


………………………………………………………


今回は井上ひさし「新釈 遠野物語」です


柳田國男の「遠野物語」をベースにした9つの短編が語られる短編集です

それぞれの話の素材は遠野物語に由来しますが、語られる話は作者のオリジナルだと思います


ある青年がひょんなきっかけから、遠野の山奥に住む犬伏太吉という老人に不思議な話を聞くことになります

話はどれも犬伏老人の過去に纏わる不思議でユーモラスで、そしてほんのり怖い物語です…👻

柳田國男版の遠野物語と同じく河童や狐が登場する昔話のようなものばかりなので、そういう方面に興味のない人にとってはちょっと退屈かもしれません(・・;)


でも狐憑きとか山姥とかが現代人からしたら非科学的かつ非現実的で、それらが実際にあったこととして語られる遠野物語の体裁に馴染みにくいのは、仕方がないことと思います

また、柳田國男の方の遠野物語には

『猟師が白い鹿を撃ったと思ってよく見たら白い石でした、おしまい。』

と言うような、明確なオチや結末が示されない話も多いのです

だから何?となってしまいますね…笑


でもそういう感動とか興奮の少ない短い物語をいくつも読んでいくと、遠野の人々にとっては怪異が日常的な生活の中で共有されてきた解釈であることがよく分かるし、彼らが抱いていた自然に対する畏れとか親愛までもが見えてくるのです


それはつまり、遠野の人々が世界をどのように見ていたか、というところに行き着くのだと思います


文学でも絵でも音楽でもそれらを鑑賞する意味とか面白さは、作者がどのように世界を捉えたかを理解する、というところにあるのではないかと思います

ですから遠野物語は民俗学的な資料としての価値以外にも、文学作品として鑑賞する価値があるのではないでしょうか

そういう視点でも読んでみて欲しいですね📚


今回の「新釈 遠野物語」では、結末において誰もが語り部となり聞き手となれることが示唆されています

作者は、自然と人も決して分断されたものではなくて行ったり来たりする/できるもの、連続性があるものと捉えてこんな最後にしたのかなと思いました…




📸うどんには卵天です( ˊᵕˋ )

イイね!
     

様式美のこと



おはようございます☀


ここ数日、初夏の陽気が続きますね🎏


少し前に花冷えで真冬のような日もあった後、やっと暖かくなったなと思ったらもう暑いぐらいです…

半袖はまだ早いかなと思ったり、何を着たら良いのか毎日迷っています(´・ω・ `) 


本日15:00〜24:00、明日13:00〜24:00で出勤します

お時間があればぜひ( ˊᵕˋ )


………………………………………………………



今回は彩図社文芸部編「文豪たちが書いた酒の名作短編集」です

坂口安吾や芥川龍之介、太宰治ら文豪たち13人による、酒にまつわるエッセイや短編小説が収められたアンソロジーです


読んでみて一番に思ったのは、今より娯楽が少ない時代において、人々にとって飲酒は現代人が思っている以上に特別で欠かすことのできない楽しみだったのかなということ💭


それでも依存的に酒に溺れる人ばかりにならなかったのは、一昔前の日本にはお酒を飲むにも様式美みたいなものがあったせいかもしれませんね


太宰治の「酒の追憶」では、少し前まで酒といえば日本酒を熱燗で盃にお酌をしてもらいながら飲むのが当たり前だったと記されています🍶


冷や酒を独酌は下品、チャンポンなんかは蛮行とすら思われていたとか…

しかし戦後にそういう価値観は無くなって、男も女も専ら酔うために、焼酎やらコップ酒を鯨飲するようになってしまいました

酒に酔うというのは享楽的な行為であるからこそ、美しくあろうとしなければ人間はどこまでも堕ちていってしまうのかもしれませんね


飲酒の習慣からも垣間見える世の中の変貌を、太宰は憂えていたようです( ´ー`)


収録されている作品の中で私が良いなと思ったのは林芙美子の「或一頁」と、福沢諭吉の「福翁自伝(抄)」


林芙美子の文章は詩情が豊かなのにさっぱりしていて、清潔な感じがします


『…いま賀茂鶴という広島の酒を呑んでいる。柔かくて、秋の菊のような香りがして、唇に結ぶと淡くとけて舌へ浸みて行く。』


唇に結ぶという表現が良いなあと思いました💭

お酒を嗜むにも彼女の美学があったことが窺えます


一方の福沢諭吉は若いうちからかなりの酒豪であったようで、そのことに起因する多くの失敗談や笑い話が語られています

禁酒しようとして代わりに煙草を吸うようになったけれど、結局お酒は辞められずに酒飲みの愛煙家が出来上がってしまったというオチのついた話が特に良かったと思います笑


収録されているのは小説よりもエッセイの方が多くて、大半は他愛もないような小品文といった感じですが、文人たちが飾らない言葉で綴った文章は新鮮で面白かったです!

おすすめです( ´﹀` )



今回は牡蠣のラーメンでした🦪

イイね!

Momoe(20)

T158 B82(C)W56H83

プロフィール

12/15(月) 12/16(火) 12/17(水) 12/18(木) 12/19(金)
-- 15:00~23:00 -- -- --
     

どちらかのこと



おはようございます


運動神経は悪いのですが、スポーツを観るのはちょっと好きです( ´﹀` )

今朝方はマス◯ーズを観てしまいました⛳️

先週はド◯イワールドカップ🐎とロ◯ド🚴…


いずれも時差がすごい国からの中継なので、リアルタイム視聴もいい加減にしないとなと反省しています

でもこれから大きな大会のシーズンに入る自転車は特に面白いので、楽しみでありつつ先が思いやられる気もしますね…(^^;;


本日15:00〜23:00、明日13:00〜23:00で出勤します

お時間があればぜひ🌸


………………………………………………………



今回は吉村萬壱「ボラード病」です

何となく題が気になって手に取りました

ジャンルとしてはディストピア小説に分類されるのでしょうか…

私はフィクションばかり読んでいますが、あまりにも現実からぶっ飛び過ぎている世界観にはついて行けないというかちょっと苦手なので、こういうジャンルの作品はあまり読んだことがありませんでした…

SFで唯一読んたのが筒井康隆とか小松左京ぐらいかな💭

両者とも、割と限定的にしか読んでいないのですけどね💦



この物語の舞台は”ある災害”から復興した海塚市という架空の町で、そこに住む大栗恭子という小学5年生の女の子の視点で描かれています📚

でも後に、実は彼女は30歳になっていて、当時を思い出しながら書いている手記であることが判明するのですが…


とにかく不穏で、読み終わってイヤな感じの残る小説でした

でもそれが良いか悪いかは別にして、作品自体のクオリティは高いと思います


主人公の周囲で起こる衝撃的な出来事から、海塚市とは震災後のフクシマのことだろうと想像されますが、そのことには一切言及がありません

しかしそれによって生まれる緊張感があり、物語を貫く本質的なテーマがよりはっきりと見えてくるのだと思います

現代社会に蔓延る同調圧力と、迫り来る全体主義への警鐘、私たち自身の世界の認識の曖昧さ…

そういう普遍的な問題、というか現実を書きたかったのかなと💭

海塚市も大栗恭子も「ボラード病」も、過去現在未来に渡って起こり得る悪夢な訳なのです


ちなみにボラードとは、船を岸壁に繋留するために設置された杭のこと

私たちをこの世界に繋ぎ止めている自らが「正常」であるいう認識は、「異常」の存在によって肯定されているのかもしれません

だから異なる存在を探し出し、作り上げ、排除をする…

しかし時に起こる「周囲と自分のどちらが正常でどちらが異常なのかなんて分からないのではないか」という疑心は、世界がそもそも茶番であるという証拠でしょうか

でも茶番を認めてしまったら自己の認識が崩壊してしまいますね

私がボラード病なのかあなたがボラード病なのかは、分からないままです…


実は温泉卵ものってます🥚

イイね!
     

花見のこと


おはようございます🌸


新年度、4月が始まりましたね

この時期、電車からいろいろな街の桜並木を見つけると明るい気持ちになります

有名なお花見スポットに行くのも良いですが、住んでいる街や学校とか職場の近くにある桜を毎日眺めるのも贅沢ですよね…


本日13:00〜23:00まで出勤します

お時間があればぜひ^ - ^


………………………………………………………



今回は松本清張「黒い画集」です

松本清張の小説をこのブログで取り上げたことは無かったと思うのですが…

どうだったかな(・・;)


本作は中編と短編が収録されています

松本清張と言うと長編小説のイメージが強かったのですが、短めの作品も多々あるようですね


どの作品も、舞台は大正〜昭和の中頃までです

以前紹介した連城三紀彦や水上勉の推理小説もその辺りの時代が舞台になっていました

私はどうも、この時代の市井の人々を描いた話が好きみたいです笑

作者が切り取った、あの時代に残っていた封建的な空気とか抗い難い貧しさとか、謂わば社会の暗黒面を覗くのは面白いのですよね…

そういうのが面白いと書くと私の性格が歪んでいるようですが、舞台となる時代に関係なくミステリーなんて人の闇の部分を取り上げてドラマにしているわけで、そういう推理小説好きの人は沢山いるし、人間そんなものなのだと思っています💭


久しぶりに松本清張を読みましたが、やっぱり良かったです

犯罪の裏にある緻密なトリックがすごいというよりも、事件に至るまでの人の心の動きとか会話とか、そういう「人間ドラマ」に違和感がないのが流石だなあと思いました


7つの作品が収められているのですが、私がいちばん良かったと思うのは『寒流』という作品です

銀行内の派閥争いに色欲が絡んで、人間のあらゆる欲望が剥き出しになっています

最後のシーンは、映像となって目に浮かぶようなのです

この物語は作品群の中でも割と長めで中編といったところなのですが、ストーリーの決着が着く最終盤にかけての加速が鮮やかでドラマティックで、2時間ドラマを観たような感じがしました

と思って調べたらやっぱりドラマ化されていたので、誰が読んでも面白いのだと思います…

おすすめです(o´▽`o)


ソフトクリームです🍦

イイね!
     

働くこと


おはようございます☀


先日は雪が降っていたのに、ここ何日かで急に暖かくなりましたね🌱

今日も昼間は暑いぐらいでした(・・;)


でも明日からはまた、気温が少し下がるみたいです…

寒の戻りで桜は長持ちするようですが、身体にとってはつらい気温差ですね😞

どうか体調にはくれぐれもお気をつけください



本日15:00〜24:00、明日13:00〜23:00で出勤します

お時間があればぜひ^ - ^

制服イベント中です❣️


………………………………………………………



今回は水上勉「働くことと生きること」

作者は戦後日本の文壇で活躍した作家です

社会派推理小説や女性を主人公にした叙情的な小説を多く残しています

以前このブログで取り上げた「雁の寺」も同氏の著作で直木賞の受賞作です!


本作は作者が63歳の時に書いたエッセイで、自身の体験と取材に基づく職業観が記されています


水上氏は貧しさのために寺へ奉公に出され、9歳で親元を離れました

その後還俗して働きながら大学に通いますが、学校を中途退学した後は作家として売れるようになる40代までの間、いくつもの職業を転々とします


作者は戦前から戦後にかけて薬売りや職業安定所の職員、服の行商、教員、新聞記者などに就き、本書ではその時の経験が綴られています


水上氏が様々な職業で出会った人たちの生き様や、仕事に対する視線には胸を打たれました

彼が経て来た職は社会を大きく動かしたり人の命を助けたりするようなものではなくて、所謂ふつうで地味なものばかりです

それでも毎日汗水を流しながらその日の仕事を懸命にこなして給料を稼ぐことの楽しさや苦しさや難しさ、そしてその積み重ねに美しさを見出せるかどうか…


作者は「天職とは最初からあるものではなく、働きながら育った人格があとから見出すもの、心のあり様次第のもの」と言います


この言葉が本当に分かる日が、自分にも来れば良いなと思いました💭


最近は仕事で自己実現しなければいけない風潮とか、キャリアアップし続けるために転職を促す雰囲気が社会に満ちていますよね…

そういうのは全て、仕事を自分の人生を充足させるための手段として考えているようで、何となく腑に落ちない感じがしていました

確かに自分の人生のために職を選ぶのは大切なことかもしれませんが、「ここじゃないどこか」とか「これじゃない何か」を求め続けるのは却って人生を空虚にすると思います


作中では適性がなくても一心に勤めればそこに「仏」が宿り天職になると述べられますが、そんな風に目の前の仕事にひたすらに懸命に取り組むのも、人生の選択肢のひとつではないでしょうかね…


味玉2つです!

イイね!
     

生き急ぐこと


おはようございます☀️


昼間はだいぶ気温が上がるようになりましたね


河津桜や梅が満開になって春が近いなあと喜んでいましたが、もうすぐソメイヨシノの番です🌸

今年もどこかに桜を見に行きたいなと思っています

それから美味しいものも食べたいですね…🍡


本日15:00〜23:00で出勤します

お時間があればぜひ( ˊᵕˋ )


………………………………………………………


今回は藤本義一「川島雄三、サヨナラだけが人生だ」です📚


作者は主に脚本家として映画制作に携わり、後にテレビドラマや舞台のシナリオも書いていたそうです

…が、一部の世代の人にとっては『11PM』という深夜番組の司会を務めていた人物と言った方が分かりやすいのでしょうか💭

また、小説やエッセイ、評論など多くの著作を発表しており、1971年には『鬼の詩』という小説で直木賞を受賞しています


今回の「川島雄三、サヨナラだけが人生だ」は、作者が人生の師と仰ぐ川島雄三という映画監督についてインタビューや講演で語った内容をまとめた文章や、川島との日々をモデルにした小説『生きいそぎの記』などが掲載されています


『生きいそぎの記』という小説はすごく良かったです

ある映画の制作のために、脚本家志望の若い作者が川島と寝食を共にしながらシナリオを練る日々が綴られています

作者が師事した川島は時に理不尽な言葉や要求を作者にぶつける破天荒とも言うべき人物ですが、作者は彼の弱さや心の裡の葛藤を理解し、その人に魅入られてゆくのです


作者が敬愛の念とかそういう言葉以上に川島とその才能を愛し、不治の病に蝕まれてゆく川島を失うのを恐れる姿が、すごく哀しかったです

作者が川島に抱く感情は情愛に近いのかなとも思いますが、たぶん、そんな表現も適切ではないのかな…


小説の中で川島雄三は脚本家志望と告げる作者に、

「人間の思考を百とした時にそれを文字にして表現すると百分の一になる。文字で食べて行くにはせめて思考の百分のニ、いや、一.五ぐらいの表現ができないことには失格である…」(略)

と教えます


文字ばかり読んでこんな文章を世の中に垂れ流している自分としては、この言葉が印象に残りました

どんな文章をいくら書いても、誰かに何かを話しても、言葉が上滑りして言いたいことが少しも載せられない感じがしていて、私のこの感覚は間違ってないことが肯定された気がします


それでも、このブログを読んで私の気持ちの片鱗を汲んでくれる方がいると、言葉や文字の力にまた希望を持ってしまうのですけど…😊


プラントベース⁇の担々麺です🌱

時代の先端を行きます🚀

イイね!
     

続編のこと


おはようございます☀️


2月も今日で終わりですね

ここ数日で急に暖かくなって、春が近いのかなと思うと気持ちが明るくなります❣️


少し早いですが、今年はどこにお花見に行こうかなと考えています…

都内の名所以外にも行ってみようかな💭


本日13:00〜24:00、週明けは3/3 15:00〜24:00で出勤します

お時間があればぜひ^ - ^


………………………………………………………


今回は遠藤周作「悲しみの歌」です

この間同じ作者の「深い河」について書きましたが、あれ以来他の作品も読みたくなり手に取りました


戦時中の生体解剖事件を扱った「海と毒薬」の続編になりますが、「海と毒薬」を読んでいなくてもちゃんと面白いです


主人公の医師勝呂は、戦争中に背負った暗い過去を隠しながら東京で小さな診療所を開いています

ある時、彼の過去を暴こうとする新聞記者が現れてから、勝呂医師の犯した罪に関する噂は町に広まってしまいました

それでも彼の元には様々な事情を抱えた患者が訪れ、勝呂医師は自らの過去と葛藤しながらも彼らに救いの手を伸ばし続けます

許されない過去と孤独を背負いながら生きる勝呂医師はやがて、戦後の人々が振りかざす"正義"の元で罪の意識に苛まれてゆくのですが…


遠藤周作はクリスチャンだったため、キリスト教を題材とした作品を多く書いています

この小説は直接的に宗教を扱っているわけではありませんが、ある登場人物にイエスを仮託しているようにも見えました


他の作品もいくつか読んで思ったのですが、作者の物語には一貫して「なぜ人は神を信じるのか」という問いがあるようです

神は様々な不条理や困難に苦しむ人間を救わないし、現実だって戦争とか災害とか、小説以上に残酷なことばかりです

それでも人々は神の存在を受け入れその教えに縋るのは何故か、神とは何なのか…

そうした信仰に関する根源的な問いについて、この小説では「赦し」がひとつの答えになっている気がしました

最も晩年に書かれた「深い河」では神をもっと内在的な存在として、愛そのものと考えたのではないかなと思います

作者の人生に伴って変遷する宗教観を辿るのも面白いですよ…


銭湯にて♨️

瓶の牛乳、製造中止のようです🥲

イイね!

Momoe(20)

T158 B82(C)W56H83

プロフィール

12/15(月) 12/16(火) 12/17(水) 12/18(木) 12/19(金)
-- 15:00~23:00 -- -- --
     

老いた先のこと



おはようございます☀


遅番の後はラジオを聴くことが多いです

なんとなくですが、パーソナリティが二人よりも一人でやってる番組の方が好きです笑

なんでですかね…


一対一の感じが楽しいからでしょうか

テレビではそんなこと思わないのですけど😕


いつもどうでもいいことをぼやいてすみません<(_ _*)> 


本日15:00〜24:00、明日9:00〜15:00で出勤します

お時間があればぜひ^ - ^


………………………………………………………


今回は藤沢周平「静かな木」です

作者が晩年に書き下ろした短編が3つ収録されています

先日外出の際に電車に乗った時に読み始めて、一時間弱の目的地に着く頃には読み終わってしまいました

それくらい分かりやすい文章だし、面白いので集中して読めてしまいます

ちょっとおかしみのある話、じんとくる話が収められていて温かい気持ちになります



表題の「静かな木」は、隠居した布施孫左衛門という武士が息子が巻き込まれた揉め事を解決するために、不正によって出世したかつての上司と果たし合う物語


老いに身を任せ古木を眺めるにつけても人生を儚む日々だった老武士が、悪に対峙し正義を貫くことで

『———生きていれば、よいこともある』

と人生を肯定的に思えるようになった姿が心にじんときました


でもきっともっと齢を取って人生の楽しみも哀しみも経験した頃には、本当にこの主人公に自分を投影できるようになるんじゃないかなと思います

その時に「たしかにそうだよな」と思うのか、「現実はそんなことない」と思うのか…

できれば前者のような感想を抱けるように生きたいですね

でもたぶん人生は不条理ばかりですから、それに絶望しきらないようにしないとなあと思います💭


この物語を書いた頃の晩年の作者は、どんな風に思っていたのでしょうね…



藤沢周平の作品は市井の民とか下級の武士とかふつうの人々が主人公です

作者の紡ぐ物語を読むと、そういう人々が清く誠実に生きる様をしらけた目で見ることなく、素直に受け取ることができる気がします


たとえフィクションであっても、美しい世界があることに生かされている人間もいるのです…



たまにはうどんです(o´▽`o)

イイね!
     

相反すること


おはようございます🐣


最近家でお灸をやっています

ツボの場所にはちゃんと現代医学で説明できる根拠があって、調べると面白かったです

効き目はまだよく分かりませんが…笑

でも「もぐさ」に火をつけると薄く煙が立って、その匂いだけで少し落ち着くのでもう少し続けてみようかなと思います


本日15:00〜24:00、明日13:00〜23:00で出勤します

お時間があればぜひ^ - ^


………………………………………………………


今回は筒井康隆「薬菜飯店」です

1986年から87年に発表された短編をまとめて1988年に出版されました

現在はおそらく絶版になっていて、古本として売られているものはプレミアがついてかなり高くなっています(・・;)

なのでわたしは電子書籍で読みました

デジタル化の恩恵を享受しています…



表題作の「薬菜飯店」は、ある男が場末の中国料理店で謎の料理を食べた途端身体から様々な毒素が排出され、健康体を取り戻すという物語…


出てくる料理の描写がすごいです

怪しげな食材を使った聞いたこともない料理たちが視覚、味覚、嗅覚にわたって瑞々しく描かれていて、空想の食べ物のはずなのに垂涎ものなのです…

しかしこれだけで終わらないのが筒井康隆で、同時に身体に不調をもたらしていたあらゆる毒素が排泄される様子も大変リアルに描かれます 

ここにはとても書けないぐらい下品なのですが、徹底的に汚く書かれることでシーンが生き生きとしてきて、内容は滅茶苦茶なのにそんなに悪くない作品な気がしてきます

食べ物と排泄という相反する2つが両立してしまうのが筒井康隆ワールドですね…


他にもいくつかの短編が収録されています

と言っても「薬菜飯店」のようなエログロや他にはスプラッター、バイオレンスがほとんどで、一つだけ収められているタイムスリップSFだけはまともな内容かと思います

作風に二面性ありすぎるようですが、文学には不快が必要ということをどこかで筒井氏が述べていました

作者と読者、テクストと読む側の意識には葛藤があるべきだと

確かに、美しいものをさらさらと読んでいるだけではつまらないですね💭

筒井康隆が滅茶苦茶なものを書き続けるせいで、私たちは葛藤を続けられるのかもしれませんね…


卵がツヤツヤでした!

イイね!
     

玉ねぎのこと


おはようございます☀️


今日から早くも2月ですね


最近は野菜が高くて、スーパーの野菜売り場に行くとびっくりしてしまいます…

先日カレーを作ったのですが、いろいろ野菜を入れると大変なのでまだ安い玉ねぎを沢山使いました

これはこれで美味しかったです笑

もはや外食した方が安くたくさん野菜を摂れそうですね…


本日13:00〜23:00、明後日15:00〜24:00で出勤します

お時間があればぜひ^^


………………………………………………………


今回は遠藤周作「深い河」です

様々な境遇の男女が、それぞれの目的を持ってインドに旅をします

何のために遥々インドまで来たのか、彼らが抱えて来た苦しみが明らかになるのと同時に宗教とか神について語られるお話です

遠藤周作の晩年に書かれた作品で、クリスチャンであった作者の宗教観が表れていると思います


物語の中でキリスト教徒で神父になろうとする青年が、彼の生き方を否定する女性に神という言葉を「玉ねぎ」という身近なものに置き換えて話をします

玉ねぎ(神)は存在ではなく働きのようなものであり、その働きとはつまり「愛」のことであると…


宗教についてあまり考えたことが無くても、この言葉は腑に落ちたというか、心に残りました

戦争とか災害とか不条理なことばかりの世の中でも多くの人が未だに宗教を信じるのは、キリスト教に限らず、結局は信仰の対象が「愛」という普遍的な感情に辿り着くからなのでしょうね…


この物語の登場人物たちは、先立った妻の生まれ変わりを探す夫や、戦友を亡くした老人、病のつらさを慰めてくれた動物を失った男など、みな喪失に苦しんでいました

それを癒したのは生も死も苦しみも穢れも全てを受け容れるガンジス川の流れだったのです

自らも大河の流れに身を委ねた彼らの心には、失った者たちがちゃんと愛として転生していて、その愛に生かされていくのかなと思います


作者は人生の最後に、神を愛として、自分の内側に見出したのでしょうね

重いテーマですが、すごく良い本に出会えました^ - ^


卵忘れました…( ; ; )

イイね!
     

幻想のこと



おはようございます☀


先日は大寒で、暦の上では一年で最も寒い日だったようです

これから暖かくなるだけなら良いですね( ´ー`)

昨年は2月に雪が降りましたから、まだ油断はできない気がしますが…❄️


告知となりますが、先週からYシャツイベントを行っています!

イベントのバナーに登場させていただきました

グラビアが追加されているので、ぜひキャストの紹介ページから覗いてみてください( ˊᵕˋ )


イベント期間は、

本日15:00〜24:00

25日(土)15:00〜24:00

26日(日)9:00〜15:00で出勤します

お時間があればぜひ^^


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


今回は小川洋子「妊娠カレンダー」です

1991年の芥川賞受賞作です

作者は「博士の愛した数式」という本も書いているのですが、こちらは映画化もされているので知っている方も多いかも…


本作には「妊娠カレンダー」「ドミトリィ」「夕暮れの給食室と雨のプール」の3つの短編が収録されています

どれも怖いと言うほどではないのですが、ちょっと不穏な心がざわつくようなお話です


表題作の「妊娠カレンダー」は、主人公の「わたし」が一緒に暮らしている姉の妊娠の経過を日記形式で綴った作品です

妊娠を題材にしながらも、「わたし」の姉に対する視線は冷たくて、彼女は姉が嫌いである訳ではないと思うのですが、姉の妊娠を喜んだり祝うような気持ちがぜんぜん見えません

むしろ「わたし」も姉自身も妊娠という非日常を恐れ、人間の原始的な生理現象に嫌悪感を抱いているようなのです…


妹という客観的な視点によって姉の妊娠がひとつの現象として、どこか冷たく描かれるのは新鮮でした

迫り来る出産までの日々が奇跡とか神秘的とか祝祭的な言葉なしに観察され、淡々とした文章で綴られることでより妊娠の「リアルさ」が増すようなのですが、でも何か違和感があります…

それはやっぱり、科学が発展しても生命の誕生は神秘であり子を宿す女性の身体には聖性が認められて来たからでしょうか


しかし現代では出生前診断とか遺伝子解析が当たり前になって、試験管ベビーなんて言葉もりますね…

ヒトの全てが科学で解析される時代において妊婦自身の生に対する感覚が、この姉妹のように希薄であることは、不思議ではないのかもしれませんね💭

母性本能なんて最初から備わっているものじゃなくて、社会が作り出した幻想に過ぎなかったのかもしれません


小川洋子さんは描写がすごく正確で、妊娠という肉体の感覚的なことも過不足なくさらりと描ききっています

平易な文体で物語の世界を正確に描写しきることで、自ずと登場人物の内面が浮かび上がってくるような感じがします

全てを押し付けないところが読みやすいなと思いました



卵多めだと嬉しいです🥚

イイね!
     

新年のこと


遅ればせながら、明けましておめでとうございます🐍


昨年はいろいろな方に支えられた一年でした

こうしてまた新たな年をスタートできたのも、関わってくださったみなさまのお陰です

本当に感謝しています


今年はみなさんにたくさん楽しい時間をお返ししようと意気込んでいます


今年もどうぞよろしくお願いいたします🙇‍♀️



ここではいつも日常の些細なことをぼやいているので、真面目なことを書くとちょっと恥ずかしいですね…笑


家にはまだ小さな鏡餅がテレビの前に座っています🍊

何となくお正月気分が続いていますが、明日は鏡開きをして気持ちを改めるつもりです


余談ですがお餅は焼いて砂糖醤油で食べるのが好きです

甘いのとしょっぱいの、一度にどちらも味わいたい欲張りなのです…( ⸝⸝•ᴗ•⸝⸝ )


本日9:00〜17:00で出勤しています

お時間があればぜひ♡


………………………………………………………


今回は中上健次「枯木灘」です

以前このブログで取り上げた「蛇淫」と同じ作者です


今回のは読むのに少し時間がかかってしまいました…

登場人物の関係性が複雑で

(この人誰だっけ…?)

となってしまい、ページを戻って確認するのが大変でした

というのも、この小説はある青年と彼を取り巻く血縁者一族との物語なのです

昭和中期の紀州を舞台に、濃い血脈によって築かれてきた一族との因縁や実父への畏れ、対抗心、それらが鬱積されて出来た歪な感情が主人公こ人生をどう動かすのか…

そんなお話です


中上健次はちょっと読みにくい作家です

 〜だった。〜した。〜った。

の連続で、美しい文章とは言い難いと思います


でもこの小説における完了形の反復はたぶん意識的に行われていて、「路地」と呼ばれる紀州の地で繰り返される生と死、暴力、性、日常、労働、血脈が匂い立ち、読み手に迫ってくるような凄まじい文体なのです

主人公自身が抜けられない輪廻の中に身を置いているように感じました💭


そんなに難しい文章ではないのですが、とにかく読むのに気力が要ります

わたしは多分、中上健次が苦手なのかもしれません💦

でも彼が描く男たちは何となく色気があって魅力的だと思いました…



2025年初ラーメンです👏

イイね!

Momoe(20)

T158 B82(C)W56H83

プロフィール

12/15(月) 12/16(火) 12/17(水) 12/18(木) 12/19(金)
-- 15:00~23:00 -- -- --
     

年末恒例のこと



こんにちは


クリスマスも終わって、今年もあと僅かですね…


ドラマの一挙再放送とか5〜6時間やり続ける歌番組とか、テレビ番組が年末編成になってくるとすごく「年末だなあ」と感じます…

大晦日はもちろん紅◯歌合戦を観ます❣️


今どきこんなにテレビを楽しみにしている人間も、きっと珍しいですよね笑

みなさんは年末年始、どう過ごされるのでしょうか💭


本日15:00〜24:00、明日13:00〜23:00で出勤します

お時間があればぜひ^^


………………………………………………………



今回は山崎豊子「ぼんち」です

年末になると何故か山崎豊子を読みたくなります


山崎豊子というと「不毛地帯」とか「沈まぬ太陽」とか社会派小説が代表作としてあげられますが、彼女の生まれである大阪は船場を舞台にした作品も数多く残しています


「ぼんち」もそうした船場の商人、老舗の足袋問屋の喜久治の半生を描いた物語です

戦前の好景気に沸く頃、彼は跡取りとして店を切り盛りしながらもお座敷遊びに半端なく散財し、そこで出会った花街の女性たちと次々と関係を持ってゆきます…


船場で受け継がれて来た厳しい家族制度や独自の風習が細かく描かれていて、すごく面白かったです

例えば女遊びひとつにしても仕来たりがあって、その決まりごとの中で正しく遊ぶことが商人としての生き方にも繋がっていたようです

そういう仕来たりとか習慣は時としてかなり「えげつない」感じなのですが、それを守り続けてきたからこそ独自の経済圏を保ち、莫大な富を築いた豪商たちが生き続けたのかなと思います


以前紹介した谷崎潤一郎の「細雪」を読んだ時も思ったのですが、最近は大阪も東京も似たり寄ったりになっていて文化の均質化みたいのがすごく進んでいるんじゃないかなと💭


もちろん言葉とか文化とか、今だって全然違うと言えば違うのですが、当時に比べたら東京も大阪も非常に近づいてしまったような気がします

交通とかメディアの発達が原因だと思いますが、そうやって色んな文化が失われていくのはつまらないですね…

日本人自らが日本的文化を「フジヤマ、ゲイシャ」の一括りにしてしまうのはもったいない気がします


普通のがいちばん良かったりします🍜

イイね!
     

推すこと


おはようございます🎄


毎日冬らしい寒さが続きますね

陽が傾くのも早くなって、14時ごろでもう夕方みたいな西日なので何だか寂しい気持ちになります


明後日の冬至を過ぎればだんだん昼間が長くなりますね☀️

冬本番はこれからですが、早く春にならないかなあと思っています


本日15:00〜23:00、明日13:00〜23:00で出勤しています

お時間があればぜひ^^


………………………………………………………


今回は宇佐見りん「推し、燃ゆ」

2020年の芥川賞作品です


あるアイドルグループのメンバーを猛烈に「推す」ことに全てを懸ける、ひとりの女子高生が主人公です

ある日、彼女の「推し」がファンを殴ったというスキャンダルよって「炎上」してしまうのですが、やがてそれは主人公の推し活、延いては日常にも影響を及ぼしてゆきます…


主人公のあかりにとって皆が普通に出来ることが彼女には難しく、学校や日常の生活に大きな困難を抱えています

そういう生きづらさに苦しむ中で、彼女は推しを推すことは人生の「背骨」となっており、「生きる手立て」であると言い切るのです


わたしは今までの人生に「推し」と呼べるほどの対象がいたことがありません

なので「推し活」というのが理解し難いというか、勿論好きなものにお金を使うことの楽しさは分かるのですが、彼女乃至彼らを推し活に突き動かすものは、恋とか愛とかそういう類いばかりではないような感じがします

じゃあどういう気持ちが原動力となって、お金と時間を推しに費やしているのかなと常々疑問に思っていたのです…


推し活に対するスタンスとかモチベーションは様々かもしれませんが、きっとこの本の彼女みたいに、誰もが大なり小なり抱えている欠乏感を埋めるため、という人たちも多いのかもしれませんね


気になったのは、次の言葉です


『……ステージと客席には、そのへだたりぶんの優しさがあると思う。相手と話して距離が近づくこともない、あたしが何かをすることで関係性が壊れることもない』


自分から推しへの想いはどこまでも一方的で、そして距離も一定です

そして推しに見返りを求めないからこそ、受け取りたいものだけを受け取ることができるのですよね


でも苦しみの中で自分を支えたり、人生の核とするにしては「推し」は脆すぎるような気がします

推しとか推し活から得られるのは一時的な興奮であって、主人公が抱えているような欠乏感、生きづらさの根本的な解決にはなり得ないのでしょう…


最後にちょっと私の考えを述べると、「推し活」というのは日常への「効きが良い」のだと思います

供給されるグッズやイベントにお金や時間を貢ぎ、それを同じ界隈で共有することによって一層の興奮が生まれる🔁

スポーツとか楽器とか、何かに打ち込んで練習を重ねて成功体験を得るような趣味よりも、興奮へのアクセスが簡単なのではないかと思います

こんなにタイムパフォーマンスが良い趣味は他になさそうですから、多くの人が打ち込むのかな、なんて考えました💭


冬はラーメンに限ります🍜

イイね!
     

即興のこと


こんにちは♫


最近よくみかんを食べています🍊


小さい頃冬休みおばあちゃんの家に行くと炬燵にたくさん積んであって、剥いてもらったのを思い出します💭

白いスジっぽいのが嫌で、結局自分の気が済むまで綺麗に剥いてから食べていたのですけどね…

いまはあれを除けるのが面倒になって、気にしないことにしてまるまる食べてしまいます…笑


でもあの白いヤツ、栄養があるみたいなので取らない方が良いらしいです( ´ー`)


今日13:00〜24:00、明日15:00〜23:00で出勤します

お時間があればぜひ^^


………………………………………………………


今回は南博「白鍵と黒鍵の間に-ジャズピアニスト・エレジー銀座編-」


著者は今も活躍するジャズピアニストです

この本は彼の学生時代と、ピアニストとして銀座で過ごした数年間を回顧した自伝エッセイです


恐らくピアノをやる多くの人がそうであるように、著者も最初はクラシックから音楽人生を歩み始めます

しかし高校時代にキース・ジャレットのレコードを聴いたことをきっかけに、ジャズの世界へ足を踏み入れてゆくのです


私は音楽をあまり聴きませんが、キース・ジャレットだけはちょっと知っていました

彼の演奏を初めて聴いた時、奏者の気持ちの昂りとか緊張感を聴き手にここまで共有し得るサウンドがあるのだな、と感動しました…

そしてすごくかっこいいなと思ったのです

だから、著者もきっと同じような印象を抱いたのかなと思うと少し嬉しかったです笑


著者は音大を出た後、留学費用を稼ぐために銀座の高級クラブでバンドのピアニストを務めます

時代はバブルの真っ只中で、いろんな物凄いエピソードが語られていて面白かったです

でも一番印象的だったのは海外から来たシャンソン歌手に著者がかけた言葉


     『我々は家具、調度品の部類で、それなりに雰囲気を出していれば充分なのだと……』


クラブのお客さんは飲みに来ているだけで、バンドの演奏なんかほとんど聴いていません

そういう環境で毎日毎日曲を弾き続けることが、音楽を志す若者にとってどれほど過酷だったのか、自分たちの音楽がこの場の誰にも届いてないという事実を自ら口にすることが、どんなに悲しいか…

この時の若き著者の気持ちを思うと、すごく切なかったです( ; ; )


音楽に対する純粋な気持ちは保ちつつも業界に染まっていく著者の二面性とか、銀座に流れ着いた人々が覗かせる葛藤とかが自然体な文章で描かれています

この本は、そんな状況でも腐らずに楽器を続けた自分と彼らに捧げたエレジーということでしょうか

………………………………………………………


人生はピアノの白鍵と黒鍵のように喜びと悲しみが交互に、そして偶には不規則にやってきて上がり下がりを繰り返すものですよね

でもたぶん白鍵と黒鍵の間にも音色は無限にあって、そういう割り切れない音によって人生は進行していくのだと思います

私は音楽理論とか演奏の技巧的なことはぜんぜん分からないのですが、著者のピアノを聴いてみて、ジャズはそういう譜面に乗り切らない感情たちを即興的に拾い上げる音楽なのかなと思いました…


たまには味噌ラーメンです🍥

イイね!
     

日々のこと


こんにちは☀️


先日、コンビニのレジ横に年賀状用の葉書が置いてあるのを見かけました

2024年も、もう間もなく終了なのですよね

段々と年の瀬が迫ってくると次の一年が楽しみな反面、何となく未来に対して焦燥感も覚えてしまいます(・・;)


でも「来年のことを言うと鬼が笑う」と言いますからね…

年末が近づくとつい来年の生活に思いを巡らせてしまいますが、地に足を着けてその日その日を生きることが肝心なのかもしれません

先人は良い諺を残してくれたなあと思います💭



本日15:00〜24:00、明日9:00〜15:00で出勤します

お時間があればぜひ^^


………………………………………………………



今日は永◯荷風「つゆのあとさき」です


明治の後期から昭和にかけて活躍した耽美派の作家です

むかし谷◯潤一郎が面白くて読んでいた時に、同じ耽美派とのことでこの作品も読んでいました

谷◯ほどの過激さがなくて、当時はあまり印象に残らなかったのですが…

先日思い出すことがあったので、また読んでみました


銀座のカフェで働く女給の君江と周囲の男たちとの交際や軋轢を描いた物語です

ちなみにですが、当時のカフェとは現代のキャバクラとかスナックみたいな場所で、そこでお酒を出して男性を接待をする女性を女給さんと呼んだようです


主人公の君江は様々な男性と関係を持つのですが、特定の誰かに入れ込んだりはしません

金銭や身の回りの装飾なんかにも割と無頓着で、とにかく万事に執着がないのです

田舎から都会に出てきて、刹那的、享楽的に生活を送ります

一方で君江と関わる男たちはその妖しさに惹かれ、奔放過ぎる彼女に愛憎半ばする感情を抱く者さえ現れるのです…


この小説は例えば谷◯の「痴◯の愛」ほど欲望とか人間の内面に深く切り込んでいる訳ではないのですが、君江と周りの人々の生き様が精緻な文章によって輪郭を持って現れる、そういう描写が凄いと思いました


ストーリーはある男女の関係を一時覗き見しただけのような、「だからなに」で終わらせられてしまうような単純といえば単純なものです

感動するとか教訓を得るとか、そういう類のものではないでしょう

それでもこの作品に心惹かれたのは、生活とか心の動きとか、誰もが持つ人間的な部分こそが美しく面白いと思えるようになったからかもしれません💭


今年はあと何杯食べられるでしょうか…

イイね!
     

因果のこと


こんにちは^^


先日から温泉浴衣イベント中です♨️


帯が綺麗に結べず四苦八苦していたのですが、ようやく形になるようになりました(・・;)


ちなみにですが、温泉旅館に泊まった時は必ず浴衣のまま寝てしまう派です

パジャマの方が楽なんですけどね…

旅館に泊まるという非日常を楽しむための様式美かなと思っています笑


今日15:00〜23:00、明日(日)15:00〜23:00、明後日(月)15:00〜23:00で出勤します

お時間があればぜひ^^


………………………………………………………


今回は司馬◯太郎「故郷忘じがたく候」

短編が3つ収録されています

舞台となる時代も場所も、それぞれ全く異なる物語です


3篇の中のひとつ、「胡桃に酒」が面白かったです

細◯ガラシャの生涯を描いた話で、彼女は明智◯秀の子として生まれ壮絶な人生を送ります

キリスト教に帰依し洗礼を受け、ガ◯シャという名を授けられました


胡桃と酒というのは食べ合わせが悪いとされていた組み合わせです

ガラ◯ャの夫は一説には彼女の美しさに非常に執着し、最後は彼女を屋敷に幽閉して外出を禁じてしまいます

物語の終盤、夫から贈られた酒と胡桃を食べて体調を崩したガラ◯ャは不自由な生活を強い続ける夫と自分はまさに胡桃と酒のような組合せだったのではないかと、己の運命に涙するのです


登場人物は少ないですが、それぞれの人生が因果的に作用し物語は悲劇へと突き進みます

あくまでも小説なので全てを史実とは出来ませんが、そんな前提を忘れてしまうぐらい司馬◯太郎の小説は面白いですね

それと、作者の小説は女性の描写がよいと思います

白い肌とか豊かな髪とか女性の肉体の美しいところがありきたりでない比喩を用いて表現されていて、日常のシーンでふとのぞく官能的な部分がすごくよく捉えられているなと

司◯遼太郎の歴史ものは娯楽的な大衆小説なので純文学のような芸術性は求められませんが、上記のような描写には読み返したくなる美しさとか魅力を感じてしまいます…❣️


たらこパスタ目玉焼きのせ🍳

欲張りです(o´▽`o)

イイね!

Momoe(20)

T158 B82(C)W56H83

プロフィール

12/15(月) 12/16(火) 12/17(水) 12/18(木) 12/19(金)
-- 15:00~23:00 -- -- --

最新の投稿へ

Information各種お知らせ

お気軽にお問い合わせください。
会員様限定!優先WEB予約サービス
女性求人はこちらから
女性スタッフ求人
検索は「川崎ソープ プレミアム」
安心・安全への取り組み
お得な割引情報
違法薬物撲滅宣言
当日の利用確認

プレミアムではメルマガ会員様を募集しております。

イベント情報・新人情報のお知らせの他、
メルマガ会員様限定のお得な割引をご用意しております。

登録はこちら